一番しびれたのは、あの廊下でのユキと村上刑事とのやりとりのシーン。セリフにもシビレましたが、それに加えて良かったのは奈緒さんが検死解剖を終えてラフに白衣を羽織った姿でこちらへ歩いてくるシーン、刑事と言葉を交わして、そして去っていく後ろ姿のシーン。
まあ、ホントにカッコ良くて美しくて最高にしびれました。いろいろ見せ場のある見応えのあるドラマでしたが、私はこのユキと村上刑事とのシーンが今回の白眉だと思います。
「脳外科やめて、法医学者になってよかったか?」
「遺体相手なら、殺さなくてすむからね...」
何やら、いわくありそうな二人の、すごい意味深なセリフ...法医学者と刑事..お互い隙のない一徹なプロ同志の雰囲気。
そして、この一連のシーンの時の奈緒さんの美しさはもう、見ている方がたじたじとなるほど冷徹で凛としていて、まさに“女王様の美しさ”でした。
そして、桐山ユキは仕事師として冷徹なだけでなく、その仕事の中に人間としての誠実さと温かさがあることが見られたのが、
検死解剖のあとの遺体に残されたきれいな縫合の跡です。このシーンはホントにハッとしました。「ご遺体をご遺族が見ることをきちっと考えた処置、でもなかなかまねできることではないよ」という助手の言葉...。
あと、ユキの人間的な一面を出しているのが、何回か出てきた、ユキが食べるシーン(大食いという設定ですかね)と例の電子レンジがらみのシーン。
これは食べ方がキレイで、食べる演技が上手な奈緒さんならではのシーンです。「冷たい..」と不満そうながら、あのエビ天の美味しそうな食べっぷりは...、なんか天丼食べたくなっちゃいました。いいなあ、奈緒さんて、こういうところが大好きなんだよね!
法医学モノというと、どうしてもシリアスなイメージが強いですが、奈緒さんが演じるこのドラマはもちろん十分シリアスな面も正義感も強いですが、こんなに美人の主人公が食べるシーンで魅せるドラマも珍しく、そのせいだけではないですがどこかユーモア漂う面もあって、確かに笑顔はどの配役にもほとんどないにもかかわらず、ドラマ全体がどこか明るくやわらかいですね。
それは、変わり者で美人法医学者という主人公ユキのキャラ設定と、脚色と、それを見事に演じた奈緒さんの演技の力、そして横山裕さんや松重豊さんたちキャスト、スタッフの総合力だと思います。
かなり前から松下奈緒さんのことは、気になる女優さんだったのですが、「屍活師」の桐山ユキ先生の役を見て更に好きになりました。
普段は、冷徹な感じをさせるけど、熱い心を持っている桐山先生の役は魅力的でした。
特に、犯人を殴り飛ばすシーンはカッコ良かったです。
横山さん演じるワンコではないけど、僕も「この人の犬になりたい」と思ったシーンでした。
是非、続編が観てみたいです。














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